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   <title>kosame.org</title>
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   <updated>2010-02-25T09:59:29Z</updated>
   <subtitle>国内外の漫画を読んでレビューを書くウェブログ</subtitle>
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   <title>Second Thoughts</title>
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   <id>tag:kosame.org,2010://1.272</id>
   
   <published>2010-02-25T10:00:00Z</published>
   <updated>2010-02-25T09:59:29Z</updated>
   
   <summary>者はスウェーデン人で、このところ出版社が催しているSwedish Invasionと銘打たれたキャンペーンに先立つ形で刊行された作品。陰影を際立たせた白黒のページに、男女の大人の関係の機微を雰囲気たっぷりに溶け込ませたドラマ。露わに語られることのない心理のあやを鮮やかに浮かび上がらせる手法がとても巧妙だということは認めないわけにはいかない。しかしながら、読者に難しいパズルの解読を強いるような筋立ての仕組みはあまりにも不鮮明であり、完全な理解に到達するまで読解の努力を費やすに値する作品だとはお世辞にも言いづらい。</summary>
   <author>
      <name>Mochi</name>
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   </author>
         <category term="Comics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://kosame.org/">
	<![CDATA[<dl class="caption" lang="en" xml:lang="en">
<dt><a href="/reviews/comics/second-thoughts-closeup.jpg" class="zoom" title="Second Thoughts by Niklas Asker"><img src="/reviews/comics/second-thoughts.jpg" alt="Second Thoughts by Niklas Asker: Cover" height="212" width="150" /></a></dt>
<dd><ul><li><cite>Second Thoughts</cite></li>
<li>Author: Niklas Asker</li>
<li>Publisher: Top Shelf Productions</li>
<li>Release: April 2009</li>
<li>Size: 21.5cm x 15.2cm</li>
<li>Format: Softcover</li>
<li>ISBN: 9781603090377</li>
<li>80 pages</li>
<li>$9.95</li>
</ul></dd>
</dl>


<h2 class="subhead">レビュー</h2>

<p>著者はスウェーデン人で、このところ出版社が催している <a href="http://www.topshelfcomix.com/swedish-invasion" lang="en" xml:lang="en" title="Swedish Invasion">Swedish Invasion</a> と銘打たれたキャンペーンに先立つ形で刊行された作品。陰影を際立たせた白黒のページに、男女の大人の関係の機微を雰囲気たっぷりに溶け込ませたドラマ。露わに語られることのない心理のあやを鮮やかに浮かび上がらせる手法がとても巧妙だということは認めないわけにはいかない。しかしながら、読者に難しいパズルの解読を強いるような筋立ての仕組みはあまりにも不鮮明であり、完全な理解に到達するまで読解の努力を費やすに値する作品だとはお世辞にも言いづらい。</p>

<p>話の舞台となるのはロンドン。空港やライブハウスなど人との出逢いのある公共の場所に事欠かないと同時に、赤の他人が行き交う雑踏の中で孤独になるのも容易な空間、つまり典型的な都市空間として登場人物たちの居場所を提供している。</p>

<p>主立った三人の登場人物は写真家と作家、そしてミュージシャンといったようにそれぞれ専門的な職業についている。必ずしも彼らの馴れ初めがすべて明らかにされているわけじゃないが、おそらく職業を介した社会的なつながりによって知り合った関係であることが推測される。誇張してよければ、これは彼らの仕事が変わってしまえばそれっきりになるかもしれない脆い関係であるように見える。その写真家の中年男と女流作家がともに同じ女性ミュージシャンと関係を持ってしまうということが基本にあり、その不安定で緊張した関係にたいしておのおの二人がどのような態度で臨むのかということがストーリーの全篇を通したモチーフになっている。</p>

<p>この作品における性的関係の扱い方はとても特徴的だ。一つはレズビアンやバイセクシュアルの関係を扱ってはいるものの、作者の姿勢に気負ったところがまったくないということだ。マイノリティの価値観を擁護しようなどという意気込みもなければ、乱れた性的関係を誇示するようなケレン味もない。ごくありふれた大人同士の関係を取り上げているように見せている。もう一つは、浮気というものを倫理的に咎める外からの視点が介入して来ないということだ。同時に複数の人物と肉体関係を持っているということが第三者の立場から裁断されることがない。法律も慣習も友人からの配慮なども邪魔をせず、あくまで恋愛の当事者にとっての心情を追うことに徹している。このような扱い方によって、保守的な価値観から見れば不穏当に違いない関係を、決して声高にならない控えめなトーンではあるけれども、恋愛関係の本質を逃さない視点から描ききることが出来たと言っていいんじゃないかと思う。</p>

<p>三人の男女のあいだにおける親密さや疎遠の関係は、おもにそれぞれの居場所に基づいて如実に感じ取られるようによく描かれている。居心地の良さや悪さということが満ち足りた、あるいは満たされない愛情の発露のように示唆的に使われていて、このことは視覚的な表現のうえでとても効果を発揮している部分であり、またロンドンのような都市を舞台にしていることが設定としてよく活きてくる部分でもある。携帯電話で恋人と話をしながら部屋の中をうろつく小説家を一人称視点で描いていき、剣呑で微妙な雰囲気が会話を終わらせた直後、視界は窓ガラスに映った本人のおぼつかない顔つきを捉え、さらにその窓の外の荒涼としたロンドンの夜景へと移り変わる。セリフはなくとも一つの恋愛関係の破綻がはっきりと読み取れる。この小説家の場合と同じ相手と関係を持ってしまう写真家の中年男についても同様に一人称視点を上手く使っている。ロンドンに住む女性との別れを念頭に置いた彼が、自身もロンドンに住んでいるにもかかわらず、もはや住み慣れた自分の故郷のように感じられなくなり、ホテルに部屋を取る。一人きり部屋の中でいたたまれない思いを募らせる様子を表現するのに、一人称視点でテレビのチャンネルが切り替わっていくコマを並べている。</p>

<p>写真家の中年男と女流作家が同じミュージシャンの女性と関係を持つという設定からは、まるで三角関係のストーリーであるように思われるけれども実はそうではない。写真家と作家とは空港で偶然に出会ってほんのひととき会話を交わしただけの関係だ。双方と肉体関係にある女性ミュージシャンがいったいどちらを択ぶのかというようなことが問題になるのではなく、一度きりしか会っていないふたりが互いに影響しあうということが筋立ての大きなポイントになっている。一度きりしか会わない相手にどうやって影響を及ぼすのかということはこの作品の大きなトリックの根拠でもある。</p>

<p>この本は一読すると誰でも気づく奇妙な矛盾が終盤に用意されている。この矛盾をどう解きほぐし、整合性のあるストーリーとして全体を理解するかということが読者に突きつけられたパズルのような課題になっている。これはなかなか難解であり、解読をあきらめて投げ出す読者がいても不思議ではない。実際のところ、僕もこの本のレビューを書くために何度も読み直してやっとのことで気がついた次第で、はじめはまったくわけがわからなかった。一度わかってしまえばどうってことのない代物なんだけれども。一応、作者はヒントをあちこちにばらまいてくれてはいる。どう見ても同一人物としか思えないキャラクターが二通りの名前で呼ばれていること。二つの部屋がパッと見は非常によく似ているが、よく注意して見比べてみると明確に別々の部屋であることがわかるということ。心理描写の重点の置き方からして写真家の中年男が主人公のように思われるにもかかわらず、表紙に描かれているのが小説家の女性であるのは何故なのかということ。こういったことから導き出される解釈は一つしかなく、疑問点をひとつひとつ挙げていけばおのずから解けるようにはなっている。しかしながら、こういった手の込んだトリックはむしろ推理小説好きの読者が喜ぶ類のものであり、内省的な大人の男女の機微を扱ったこの作品のテーマにそぐわない、興醒めなほどの過度な技巧に思えてならない。その意味でテーマと手法のバランスが微妙な、ちょっと残念な作品という結論になってしまう。</p>]]>
   </content>
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   <title>2009年の総括</title>
   <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kosame.org/2009/12/best-of-2009/" />
   <id>tag:kosame.org,2009://1.271</id>
   
   <published>2009-12-28T11:00:00Z</published>
   <updated>2009-12-28T11:01:11Z</updated>
   
   <summary>年末不定期恒例の総括。といっても、今年は外国漫画のレビューしか書いてないので割り切って外国漫画に限定した寸評。今年発売されたものとは限らず、僕が2009年のあいだに読んだものが対象。少なくとも一度は最初から最後まで読み通した作品をおもしろかった順に挙げてみた。もともとレビューには評価の点数をつけているからその点数の順に並ぶかというと必ずしもそうではない。もう一度すべての作品に目を通している暇などなく、今の時点での記憶に基づいて書いているので。</summary>
   <author>
      <name>Mochi</name>
      <uri>http://kosame.org/</uri>
   </author>
         <category term="Notes" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://kosame.org/">
	<![CDATA[<p>年末不定期恒例の総括。といっても、今年は外国漫画のレビューしか書いてないので割り切って外国漫画に限定した寸評。今年発売されたものとは限らず、僕が2009年のあいだに読んだものが対象。少なくとも一度は最初から最後まで読み通した作品をおもしろかった順に挙げてみた。もともとレビューには評価の点数をつけているからその点数の順に並ぶかというと必ずしもそうではない。もう一度すべての作品に目を通している暇などなく、今の時点での記憶に基づいて書いているので。</p>

<h2 class="subhead">2009年に読んだ外国漫画</h2>


<ol>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Miss Dont Touch Me</cite> by Hubert &amp; Kerascoët</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/02/miss-dont-touch-me/" title="kosame.org: Miss Don't Touch Me（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/miss-dont-touch-me.jpg" alt="Miss Don't Touch Me" /></a></dt>
<dd>
<p>間違いなく今年最高の掘り出し物。これに出会えただけでも手当たり次第に外国漫画を買い漁った甲斐があったというもの。猟奇殺人の真相をめぐるミステリーなんだけれども、オーソドックスな推理ものとは違って、探偵役として立ち回る主人公が自分自身では事件を解決することが出来ない。分不相応な活躍をさせないリアリズムがとてもいい。このシナリオライターの作品をもっと読んでみたい。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Far Arden</cite> by Kevin Cannon</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/09/far-arden/" title="kosame.org: Far Arden（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/far-arden.jpg" alt="Far Arden" /></a></dt>
<dd>
<p>架空の北極圏カナダを舞台にした海洋冒険漫画。伝説の島の所在を巡って争う中年男たちの物語。積年の三角関係や打算的な出世欲、歪んだライバル意識など、再会した旧友同士ならではの友情とその後の変貌を下敷きにして、敵と見方が入れ替わるシーソーゲームのような目まぐるしい筋立てを巧妙に作り上げている。序盤の余りにもお粗末な出来が残念だけれども、それを差し引いても傑作というほかない。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>The Big Skinny: How I Changed My Fattitude</cite> by Carol Lay</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/03/the-big-skinny-how-i-changed-my-fattitude/" title="kosame.org: The Big Skinny: How I Changed My Fattitude（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/the-big-skinny-how-i-changed-my-fattitude.jpg" alt="The Big Skinny: How I Changed My Fattitude" /></a></dt>
<dd>
<p>自身のダイエット体験を綴ったエッセイ漫画。ただ体重を減らすためのノウハウを描いているのではなく、自分の体への配慮が自尊心の獲得にもつながっていることを率直に表していて感動的。ありふれた体験記としてのダイエット漫画が肉体を懸けているというのなら、この漫画は存在を懸けている。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Saga of the Swamp Thing, Book One</cite> by Alan Moore, et al.</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/06/saga-of-the-swamp-thing-1/" title="kosame.org: Saga of the Swamp Thing, Book One（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/saga-of-the-swamp-thing-book-1.jpg" alt="Saga of the Swamp Thing, Book One" /></a></dt>
<dd>
<p>生化学実験の犠牲となり、怪物スワンプシングへと変身した男の物語。藁半紙の束を豪華なハードカバーにくるんだような変な本。スワンプシングというキャラクターの設定が明かされる序盤はおもしろかったけれども、後半はどうでもいい脇役の話が中心になってしまい残念。<cite>バットマン：キリングジョーク</cite>というアンソロジーに#21だけ収録されているということは、やはりこの漫画がおもしろいのは最初だけなんじゃないかというふうに危惧せざるを得ない。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>The Laugh-Out-Loud Cats Sell Out</cite> by Adam Koford</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/04/the-laughoutloud-cats-sell-out/" title="The Laugh-Out-Loud Cats Sell Out"><img src="/reviews/comics/the-laugh-out-loud-cats-sell-out.jpg" alt="The Laugh-Out-Loud Cats Sell Out" /></a></dt>
<dd>
<p>多くのネタをインターネットミームから採った一コマ漫画集。およそギークらしくないほのぼのとした絵柄とのギャップがユーモラス。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Little Nothings Vol. 2: The Prisoner Syndrome</cite> by Lewis Trondheim</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/little-nothings-2-the-prisoner-syndrome.jpg" alt="Little Nothings Vol. 2" /></dt>
<dd>
<p>著者の普段の生活のなかのエピソードを描く漫画の第2巻。第1巻ほどではないけれども、そこそこ楽しく読めた記憶がある。人によっては取るに足りないこととして特に書き留める気にもならないような小さなことを拡大しておもしろく読ませる作品。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>The Killer #9-#10</cite> by Jacamon &amp; Matz</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/07/the-killer-9-a-deadly-soul-part-one/" title="kosame.org: The Killer #9 A Deadly Soul, Part One（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/the-killer-9-a-deadly-soul-part-one.jpg" alt="The Killer #9" /></a><img src="/reviews/comics/the-killer-10-a-deadly-soul-part-two.jpg" alt="The Killer #10" /></dt>
<dd>
<p>非常に残念な終わり方。最後に何か大きなヤマがあるのかと期待して読んだら尻つぼみ。殺し屋の主人公がこれまでの自分の信念を再確認し、正当化しただけで終わってしまった。意外性も何もない。キャラクターは最高だが結末は最低といっていい。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>The Nobody</cite> by Jeff Lemire</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/08/the-nobody/" title="kosame.org: The Nobody（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/the-nobody.jpg" alt="The Nobody" /></a></dt>
<dd>
<p>田舎町を訪れた包帯男にたいする街の人びとの偏見や排他的な姿勢を批判的に描こうとしているんだけれども、その試みがあまり上手くいったとは思えない。むしろ、主人公の無責任と利己的な姿勢が印象に残った。</p>
</dd>
</dl> </li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Second Thoughts</cite> by Niklas Asker</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/second-thoughts.jpg" alt="Second Thoughts" /></dt>
<dd><p>写真家とミュージシャンと作家の三人が絡む大人の関係を描いた漫画。絵柄は僕の好みで、都市生活の喧騒と内面の沈思黙考の対照を雰囲気たっぷりに描くスタイルがとてもいいと思う。しかしながら、肝心のストーリーのポイントがよくわからない。一人称視点に固定された描写が混乱の元になっていて、再考してもはっきりしない点が多い。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Gigantic Robot</cite> by Tom Gauld</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/the-gigantic-robot.jpg" alt="The Gigantic Robot" /></dt>
<dd>
<p>巨大なロボットの建造とその後の荒廃でもって、文明の興亡のはかなさを風刺した漫画。大判のページの物理的な大きさを利用した大ゴマが有無を言わせぬ強烈なユーモアの元になっている。ごく単純なことを表すのに随分と贅沢に紙を使っている自由な漫画だ。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Nine Ways to Disappear</cite> by Lilli Carré</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/10/nine-ways-to-disappear/" title="kosame.org: Nine Ways to Disappear（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/nine-ways-to-disappear.jpg" alt="Nine Ways to Disappear" /></a></dt>
<dd>
<p>歌手を中に閉じ込めた巨大な貝から取り出された真珠の玉が、まるで持ち主を呪う宝石の伝説のように次つぎと場所を変えて受け継がれていく話がおもしろかった。とても短い作品であるにもかかわらず、もう終わるだろうと思えてもさらに話が続いていく感覚に不思議と魅了された。良いシュールレアリスム。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Speak of the Devil</cite> by Gilbert Hernandez</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/speak-of-the-devil.jpg" alt="Speak of the Devil" /></dt>
<dd>
<p>体操選手の女子学生の家庭の問題と、街を騒がす覗き魔の正体を絡めて描く変な漫画。とても体操向きとは思えないボディビルダーのような体型のキャラクターデザインが気になって仕方がなかった。それよりもさらに妙なのは、終盤になってやたらと人が残酷な仕方で死にまくることでまったく意味がわからなかった。 <cite lang="en" xml:lang="en">Love &amp; Rockets</cite> の著者だということを知っているからこそ、こちらはただ困惑するだけなんだけれども、そうでなければこの著者は執筆中に頭がどうかしちゃったんじゃないかと揶揄したくなるほどだ。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Ball Peen Hammer</cite> by Adam Rapp &amp; George O'Connor</span> <dl>
<dt><a href="http://kosame.org/2009/12/ball-peen-hammer/" title="kosame.org: Ball Peen Hammer（コミックレビュー）"><img src="/reviews/comics/ball-peen-hammer.jpg" alt="Ball Peen Hammer" /></a></dt>
<dd>
<p>法秩序が失われた世界で人びとが生きるためにやむを得ず、倫理的にまずいことに手を染めてしまうという、そのギリギリの判断に説得力をもたせるだけの設定が読者に対して充分に説明されていないことがいちばんの問題点じゃないかと思う。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Remake</cite> by Lamar Abrams</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/remake.jpg" alt="Remake" /></dt>
<dd>
<p>中学生くらいの子供がスーパーヒーローのように振舞うギャグ漫画。主人公の強さや、作品世界の秩序を構成する設定がどこにリアリティを置いているのか曖昧で、エピソードによって恣意的にコロコロ変わっているように思え、あまり腰を据えてのめり込めなかった。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Jam in the Band Vol. 1</cite> by Robin Enrico</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/jam-in-the-band-1.jpg" alt="Jam in the Band Vol. 1" /></dt>
<dd>
<p>ミニコミック。若い女の子三人のバンクロックバンドの活動を描く。音楽漫画というよりは、生まれ育った田舎町を何としても出たいという気持ちに焦点をあてた青春漫画。その意味ではおそらくありふれたモチーフを取り上げたに過ぎないといえるのかもしれない。しかし、主人公の鬱積した情念はかなり強烈で、ほとんどアイコン化されたような簡略なキャラクターデザインにはおよそ似つかわしくなく、生なましい感情とのギャップに驚かされた。とはいえ、表紙をデザインする分にはともかく、実際の漫画のページをこのキャラクターデザインで読ませられるのはかなり単調できつく感じる。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>Daybreak Vol. 3</cite> by Brian Ralph</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/daybreak-3.jpg" alt="Daybreak Vol. 3" /></dt>
<dd>
<p>戦争の後の荒廃しきったような世界でのサバイバルを描く漫画の最終巻。一人称視点の人物の正体は結局のところ僕が期待していたような驚くべきものではなかったのが残念。物語の上でも淡々と終わってしまった。</p>
</dd>
</dl></li>
<li><span lang="en" xml:lang="en"><cite>The Bun Field</cite> by Amanda Vähämäki</span> <dl>
<dt><img src="/reviews/comics/the-bun-field.jpg" alt="The Bun Field" /></dt>
<dd>
<p>熊が車を運転したりするシュールな漫画。どこをどうおもしろがって読めばいいのかさっぱりわからなかった。この作者が必要としているのは読者ではなくカウンセラーか精神分析医なんじゃないかとおちょくりたくなる。駄目なシュールレアリスム。</p>
</dd>
</dl></li>
</ol>

]]>
   </content>
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   <title>Ball Peen Hammer</title>
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   <id>tag:kosame.org,2009://1.270</id>
   
   <published>2009-12-16T09:30:00Z</published>
   <updated>2009-12-16T09:31:03Z</updated>
   
   <summary>戦争で秩序が崩壊し、暴徒や野犬がのさばる荒廃した都市における生存競争を極めて残酷で辛辣な皮肉として描く寸劇的な漫画。粗暴で下劣な言動を繰り返す一部の登場人物にはうんざりさせられるものの、その背景となっている苛酷な生活環境ならではの人間性の現れを見いだすことのできる筋立てにはなっている。とはいうものの、作品中の最大の謎であり、登場人物のすべての行動に決定的な影響力を持っている組織の実態については、その権力の背景や目的などがほとんど明らかにされないままになっている。物語の隅ずみまで読み直したあとでも多くの疑問が残り、結局のところ消化不良の読後感をぬぐえないのが残念なところだ。</summary>
   <author>
      <name>Mochi</name>
      <uri>http://kosame.org/</uri>
   </author>
         <category term="Comics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://kosame.org/">
	<![CDATA[<dl class="caption" lang="en" xml:lang="en">
<dt><a href="/reviews/comics/ball-peen-hammer-closeup.jpg" class="zoom" title="Ball Peen Hammer by Adam Rapp &amp; George O'Connor"><img src="/reviews/comics/ball-peen-hammer.jpg" alt="Ball Peen Hammer by Adam Rapp &amp; George O'Connor: Cover" height="212" width="150" /></a></dt>
<dd><ul><li><cite>Ball Peen Hammer</cite></li>
<li>Writer: Adam Rapp</li>
<li>Artist: George O'Connor</li>
<li>Publisher: First Second</li>
<li>Release: September 2009</li>
<li>Size: 21.6cm x 15.5cm</li>
<li>Format: Softcover</li>
<li>ISBN: 9781596433007</li>
<li>144 pages</li>
<li>$17.99</li>
</ul></dd>
</dl>


<h2 class="subhead">レビュー</h2>

<p>戦争で秩序が崩壊し、暴徒や野犬がのさばる荒廃した都市における生存競争を極めて残酷で辛辣な皮肉として描く寸劇的な漫画。粗暴で下劣な言動を繰り返す一部の登場人物にはうんざりさせられるものの、その背景となっている苛酷な生活環境ならではの人間性の現れを見いだすことのできる筋立てにはなっている。とはいうものの、作品中の最大の謎であり、登場人物のすべての行動に決定的な影響力を持っている組織の実態については、その権力の背景や目的などがほとんど明らかにされないままになっている。物語の隅ずみまで読み直したあとでも多くの疑問が残り、結局のところ消化不良の読後感をぬぐえないのが残念なところだ。</p>

<p>主な登場人物たちは四人で、同じビルディングの一階と最上階に二人ずつ別れた形で居座っている。物語の初めから終わりまでほとんどこのビルの中だけで話が進んでいくのは、屋外があまりにも危険だからという事情もあるけれども、根本的な理由としてはそこで行われているとある計画が関係している。この計画に実際に身をもって参加する一階の二人と、計画については部分的な情報しか知らない最上階の二人とに分断されて互いにほとんど交流のないことが筋立ての上で大きな意味を持たされている。しかしながら、この設定の詳細が読者に対して説明不足であり、恣意的に用いられているように思える。計画は残酷で非人道的なものであり、また参加者に報酬が与えられるわけではないにも関わらず、どうして一階の二人は自発的に参加することを決めたのかという疑問が残る。計画への参加と引換えに安全な場所を提供というのがもっともらしい答になりそうだけれども、作品のなかで描かれてる分にはそうとも思えない。外部からの暴徒の襲撃に耐える堅牢な施設というわけではなく、そこに食料が用意されているわけでもない。ただ雨風を凌げるだけの場所に過ぎないように見える。また、こういった組織が暗躍することができるような社会の混乱の大本であるはずの戦争については単に屋外の大局的な状況を説明するための口実として使われていて、開戦の理由や戦況など、そしてそもそもどこの国が戦争をしているのかということさえ明らかにされていない。二つのグループが限定された空間にこもってほとんど動かないというこの設定は、そのようにたいして説得力がない割に、かなりの程度に依存する形で話のすじが進められている。計画に参加する一階の二人のうち一人は別れた恋人を探していて、実はそれが最上階の一人であり、身近にいながら再会を果たせないということが物語全体のなかで最も皮肉な運命のように描かれている。さらに、計画の実態をよく知らない最上階の二人が計画に参加していないにもかかわらず、結果的に同様の残酷な事態に陥ってしまうということがもう一つの皮肉な運命となっている。</p>

<p>絵柄は社会の荒廃と伝染病の蔓延などを描くのにふさわしい、粗くささくれたような線で描かれている。ところどころ現実にはありえないような誇張をあしらっているのが目を引く特徴で、表紙の女の極端な内股の姿勢や、謎の組織の一員が上半身だけ極端に膨れた筋肉質の体型を持っている点など、滑稽にならない程度に部分的に巧く取り入れている。立体物の遠近の表現はあまり得意ではないようで、開いたドアの手前と奥の空間を区別する表現が曖昧でパッと見ただけではよくわからなかったりする。</p>

<p>少ない登場人物がそれぞれ断片的に持ち寄った情報を元にして読者に全体の状況を推測させるような描き方である割には、深読みの甲斐があるほど複雑で深い人間の営みを描いているとは言いがたい中途半端な作品だ。</p>]]>
   </content>
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   <title>Nine Ways to Disappear</title>
   <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kosame.org/2009/10/nine-ways-to-disappear/" />
   <id>tag:kosame.org,2009://1.269</id>
   
   <published>2009-10-31T10:30:00Z</published>
   <updated>2009-10-31T10:26:04Z</updated>
   
   <summary>人間関係の疎遠や物質的な喪失感などをモチーフにした九つの掌篇。童話のように教訓を引き出して理解したくなる内容の話が多いけれども、あまりにシュールレアリスム的な表現に満ちているために現実的な意味付けは空しく思える。それでもおよそ現実世界では体験し得ない奇妙な感覚だけは残って、そこが本書の売りだろうと思える。というか、その程度のことしか僕には言いようがない本だ。</summary>
   <author>
      <name>Mochi</name>
      <uri>http://kosame.org/</uri>
   </author>
         <category term="Comics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://kosame.org/">
	<![CDATA[<dl class="caption" lang="en" xml:lang="en">
<dt><a href="/reviews/comics/nine-ways-to-disappear-closeup.jpg" class="zoom" title="Nine Ways to Disappear by Lilli Carré"><img src="/reviews/comics/nine-ways-to-disappear.jpg" alt="Nine Ways to Disappear by Lilli Carré: Cover" height="146" width="150" /></a></dt>
<dd><ul><li><cite>Nine Ways to Disappear</cite></li>
<li>Author: Lilli Carré</li>
<li>Publisher: Little Otsu</li>
<li>Release: April 2009</li>
<li>Size: 12.7cm x 13.3cm</li>
<li>Format: Softcover</li>
<li>ISBN: 9781934378175</li>
<li>192 pages</li>
<li>$12.95</li>
</ul></dd>
</dl>


<h2 class="subhead">レビュー</h2>

<p>人間関係の疎外感や物質的な喪失感などをモチーフにした九つの掌篇。童話のように教訓を引き出して理解したくなる内容の話が多いけれども、あまりにシュールレアリスム的な表現に満ちているために現実的な意味付けは空しく思える。それでもおよそ現実世界では体験し得ない奇妙な感覚だけは残って、そこが本書の売りだろうと思える。というか、その程度のことしか僕には言いようがない本だ。</p>

<p>直接的な関係はまったくないけれども、この漫画には漱石の<cite>夢十夜</cite>を思い出させるふしがある。一つには表現がシュールレアリスム的であること。もう一つには、読者の視点からはごく短い時間のように見える出来事が、当の登場人物にとっては膨大な時間の経過として体験されているという時間の表現があること。さらに何といっても向こうが十ならこっちは九で、たった一つしか離れていないということがある。自然数が無限に存在することを念頭に置けば、これは奇跡的な邂逅と言えるんじゃないだろうか。</p>

<p>どの話も物理的あるいは生物的な限界を無視した夢の中のような出来事に終始していて、直接にキャラクターの言動を肯定したり、または否定したりといった評価をするにはあまりにも荒唐無稽すぎる。ともすれば、とても読んでいられないほど荒唐無稽になりかねない話に一応の物語的な体裁を保たせることで緊張感を持ったまま読めるようになっている。</p>]]>
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   <title>Far Arden</title>
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   <published>2009-09-30T10:40:00Z</published>
   <updated>2009-09-30T10:39:17Z</updated>
   
   <summary>北極圏のカナダを舞台に、伝説の島の在り処をめぐって奮闘する人びとを描く海洋冒険漫画。取っ付きはかなり悪いものの、ダイナミックで入り組んだ人間関係のおかげで尻上りにおもしろくなっていく。クライマックスもエピローグもそつなく決まっていて、これはそこそこの傑作と呼んでいい作品じゃないかと思う。
</summary>
   <author>
      <name>Mochi</name>
      <uri>http://kosame.org/</uri>
   </author>
         <category term="Comics" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://kosame.org/">
	<![CDATA[<dl class="caption" lang="en" xml:lang="en">
<dt><a href="/reviews/comics/far-arden-closeup.jpg" class="zoom" title="Far Arden by Kevin Cannon"><img src="/reviews/comics/far-arden.jpg" alt="Far Arden by Kevin Cannon: Cover" height="187" width="150" /></a></dt>
<dd><ul><li><cite>Far Arden</cite></li>
<li>Author: Kevin Cannon</li>
<li>Publisher: Top Shelf Productions</li>
<li>Release: June 2009</li>
<li>Size: 18.3cm x 14cm</li>
<li>Format: Hardcover</li>
<li>ISBN: 9781603090360</li>
<li>384 pages</li>
<li>$19.95</li>
</ul></dd>
</dl>


<h2 class="subhead">レビュー</h2>

<p>北極圏のカナダを舞台に、ファーアーデンと呼ばれる伝説の島の在り処をめぐって争う人びとを描いた海洋冒険漫画。取っ付きはかなり悪いものの、ダイナミックで入り組んだ人間関係のおかげで尻上りにおもしろくなっていく。結末は多数の読者の支持を得られるものではないに違いないが、それでも細かく広がった話のすじをほころばせることなく、すべて拾い上げてそつなくまとめている。これはそこそこの傑作と呼んでいい作品じゃないかと思う。</p>

<p>この作品の設定にはちょっとひねった部分があって初めて読む読者を戸惑わせる。表紙をめくってすぐの見開きのページには島や入江の名前がびっしりと書き込まれた地図が載っている。いかにも西洋風のロールプレイングゲームさながらの趣に、僕はてっきりこの漫画を作者の想像による架空の世界のものかと勘違いしてしまった。ウェブで調べてみればすぐわかることなんだけれども、この地図は北極圏カナダの実際の海岸線をなぞっていて、陸地や海峡の名称もそのまま踏襲している。それでは、作中で伝説の島とされているファーアーデンを除いてほかはすべて現実世界のカナダを模しているのかというとそうではない。ここに登場する船舶はどれも旧式の帆船ばかり。また、巡業中のサーカスでは人権をないがしろにした時代錯誤的な見世物が堂々とおこなわれている。それでは、舞台をカナダに置いて、時代だけ古く設定しているのかと思いきや、「地球温暖化」による自然環境への影響を問題とする学術研究的な背景が作中でしばしば言及され、また現代的なというよりもむしろSF的と言っていい高度な医学装置も登場する。このように新旧を織り交ぜた時代背景は単に都合よく話を作り上げるためのいいとこ取りに過ぎないと見なすことも出来る。実際のところ、中途半端に現代的な時代設定のおかげでこのストーリーが成立しているのも事実だ。登場人物が携帯電話を持っていたらこれほど複雑に人間関係が入り乱れることはなかっただろうし、人工衛星からの撮影を利用することができたならば未踏の島の在り処が問題となるこのストーリーの根幹がそもそも成立しなかっただろう。</p>

<p>主人公のアーミー・シャンクスは元海軍のお尋ね者で、伝説の島とされているファーアーデンの実在を信じて今まさに航海の旅に出ようとしている。彼のほかにもファーアーデンの発見を企てている男が三人いるんだけれども、その伝説の島への手がかりを持っているのが唯一シャンクスのみであるため、残りの三人がその手がかりを狙ってシャンクスに接近するという関係になっている。三人はそれぞれ社会的な境遇が異なり、あるものは実力行使で、あるものは公権力に物を言わせ、またあるものはもっと狡猾に罠に陥れるべく画策する……といったようにシャンクスへのアプローチの仕方が異なっていて、これがこのストーリーを海賊同士の武力紛争のような単純なものにさせず、争いをさまざまな社会的関係のもとに展開させ、ストーリーをバラエティに富んだものにさせている。</p>

<p>冒険漫画といっても過酷な自然と闘って打ち勝つという要素はほとんどなく、人間社会での争いがストーリーのほとんどを占めていてる。そのため、ファーアーデンを探し求めて争う人びとの対立や葛藤にけりがついた頃にクライマックスを迎えるようになっている。その意味ではこの作品は冒険譚というよりもあくまで人間ドラマといったほうが適切かもしれない。</p>]]>
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